バブルの崩壊以後は、最初に入社した会社に居続けられるとは限らなくなりました。解雇される者もいれば、自社の発展が停滞していることで見切りをつけ、自主退職する者まで現れました。その流れは時代を追って強くなり、また洗練され、退職する際も準備を怠らないようになりました。キャリアアップを図って資格を取得したり、勉強したりすることで、準備を整えてから行動するようになったのです。その結果、今では会社に隷従する人も減少し、その日のためにスキルを磨きながら働くのが主流となっています。
バブル崩壊以降の労働市場の変容は、世代間格差とも密接に関係しています。最近よく議論されていることですが、日本の貧困化は先進国の中で最悪の状況にあると言われています。特に貧困化の程度が大きいのが若者世代であり、中高年は相対的に貯蓄が十分であるというのが実態です。若者は給与も満足に得られない中、高額の社会保険料を納付しています。つまり中高年が若者からお金を巻き上げているのです。
この現況に耐えられなくなった若者たちが、最近海外に移住し始めています。もちろんまだ少数派に留まっているのですが、転職先として海外を選択するほど、日本は若者が希望を持てない社会となってしまったのです。高齢者の福祉を考えることも大切ですが、若者の貧困を放置してしまえば、日本の未来は明るくありません。世代間格差の解消をどのように実現するのかが問われています。
医師の転職についても、上記と同じことが言える自体になっているかもしれません。
日本国内のみならず、海外にも視野を広げた医師の転職活動をしてみてもよいと思います。